電車通りを走ってきた江ノ電が神戸川の橋を渡って路面区間の道路から鉄道区間の線路へと左にカーブをとって、腰越駅のプラットホームに滑り込んで停車しました。
車掌さんがドアを開けると藤沢方面から乗ってきた人たちがホームに降り立ちます。
昼間は沢山の観光客で賑わう車内も、この時間はほとんど地元の人達。
ちょうど今日は日曜日。
昼間の喧騒の余韻が少し残ったホームに降りてくるのは、休日を楽しんだ地元の人達。
後ろ姿から見えるわけではないけれど、江ノ電の車両も、車掌さんもなんだか忙しかった一日の終わりに少しだけほっとした表情を浮かべているような雰囲気。
そんな電車との距離感の江ノ電の夜のプラットホームも私の好きな鎌倉の風景のひとつです。
個人的には、池とか滝とか、水のある風景が好きです。
“鎌倉は三方を山で囲まれ一方は海”という歴史の教科書に出てきた地形で、山と言っても標高100mから150mほどの低山しかないので、市内の中心、若宮大路の東を流れる滑川が川らしい川くらいなので、池や滝がほとんどないと言っても過言ではないのではないでしょうか。
池と言って思いつくのが今泉の散在が池(鎌倉湖)と鎌倉山の笛田側にある夫婦池、滝と言って思い浮かぶのが今泉不動の中にある陰陽滝くらいしかありません。
もっとも八幡宮の源平池や光明寺、長谷寺など、神社仏閣の中には池がありますが…。
そんな中でこの池。
七里ガ浜の分譲地の北西側、鎌倉山の南側、そして西鎌倉から腰越・津の分譲地の南東側に広がる広町の森の中にある小さな池ですが、木道の先に緑に囲まれた小さな水辺の空間。
通称“トンボ池”というみたいですが、個人的に好きな場所のひとつです。
池へと続く木道のあたりは湿地帯になっています。
暑い夏でも、小さな池の周りは、ほんの少しだけ気温も低いような気がして、夏におススメのスポットです。
でもこの環境、マムシに注意かもしれませんね…まだ幸運なことに遭遇したことはもちろんないですけどね。
この風景、以前にご紹介した事があるかもしれませんが、ドラマなどでもよく出てくるこちらの踏切。
6月に入って線路沿いにアジサイの花が咲くとカメラマンが沢山の場所ですが、平日の夕方、まだアジサイにも少し早いので、踏切と江ノ電の音だけが響く御霊神社の境内から見た景色です。
この踏切、反対側から江ノ電の向こうに鳥居と神社という構図での写真もよく見かけますが、個人的には神社の境内から南に向かって撮影したこの雰囲気の方が好きです。
本殿の前からの風景なので、本殿にいらっしゃる神様から見るとこんな風に見えるのではないかな。
アジサイが咲き出すとなかなかこんな風に誰もいない中で撮影するのは難しくなりそうですが、朝一番、まだまだだ観光客の方が来る前のこの場所は静かでとても鎌倉らしくて、好きな風景のひとつです。